Imitative Plot "CALL CODE:SOUVENIR"



[Comment]


<その物語がなかろうとも>
がすべきことは変わらない>
イフいでいでいく>
<その物語が失われないように>

>cert ./existence/01.svn /r
>Progress [....................] 0%

Inophelia-02 > マガイモノであっても構うものか。

>Progress [|||||...............] 25%

Inophelia-02 > 僕は僕なりに、始まりの物語に向き合うことに決めた。

>Progress [||||||||||..........] 50%

Inophelia-02 > 不慣れな手つきで、不格好に紡いだ形じゃなくて、

>Progress [|||||||||||||||.....] 75%

Inophelia-02 > 僕が僕として作る、もう一つの始まりの物語。

>Progress [||||||||||||||||||||] 99%

Inophelia-02 > 聞けば、"あの人"は"あの場所"へと帰ってきたらしい。
Inophelia-02 > ……さて、ボクはこれからどうしようか。

>Progress [||||||||||||||||||||] 100%
>Q.E.D.

[D.J.Olrunatt >> Inophelia-02 >> proxied by ...]

Storyteller > そして彼女はまた新たな物語へと歩みを進めるのでしょう。


隠し立てする気はない。
"それ"が、僕の始まりだってことくらい。

[Olrunatt]

譜面引用とオリジナルが半々くらい。
引用元はImitative Plotを含め2曲……いえ、3曲とも言えますか。
3つ目の引用元は……?

[Player]


模造」と「原初」、「恋慕」と「憎悪
――相反する要素。

私"達"が最後に残す、過去へ至る無念
筆を置き、此処で回顧録は幕を閉じる
彼女を送り、私は只一人、瞳を閉ざす。

この先で、幕を開ける彼女の "個" の物語。
この先は、未来を誰も知り得ない新世界。

――――それは、永久に続く旅路。

[mProtect's last message]


[Free Comment]


"NG+:はじめから、もういちど"

「要は少女とか物語とか00年代とかマイナースケールとか泣きメロとかBPM172~182とか付点8分とかマキナとか模倣とかお察しくださいとか」

制作順では7番目の楽曲。
そういうわけで、ようやく、ようやくこちらの席からお話させていただくことになりました。この度D.J.Olrunattの"プレイヤー"を務めさせていただいたメーゼです。
3rd体験版から続く長きにわたる物語にお付き合いいただきありがとうございます。きっと”あの曲たち”を知っている方はニヤニヤしながら見ていたことでしょう。
大変な長文になると思われますが、やっと私の口からSOUVENIR、そしてD.J.Olrunattについて語れる日が来たということで、この場で存分に語らせてください。

まずは正体の秘匿について。D.J.Olrunattの正体については、このタイミングまで可能な限り公言を避けてきていました。「誰が作ったか」については不明にしておきたかったんです。
おそらく正体を確定情報として知っていたのはM-IEのメインスタッフと、普段卓を囲んでいるTRPG仲間くらいかと思われます。
各所で発表している楽曲の作風、音源、譜割り。各楽曲の譜面制作者である”Olrunatt”の譜面傾向や、やけに見知ったような発言の多い私のコメント。
そして何よりも私自身の経歴──名は違えども00年代Stepmaniaパッケージで活動していた者──あたりから、追っている方にはかなり早い段階で正体はバレていたのではないでしょうか。
と言っても、00年代の私に作曲のイメージはないと思います。
当時は譜面専門でしたが、無関係というわけではなくあちらにも1曲だけ私の作った譜面があるという関係はあります。あとボツになった譜面が2つくらい。
あと後述する2024年事変の時はとある界隈向けのサブアカウントで「タスケテ……」と奇声を上げてたのでそっちのアカウント知ってる人は察したかも。

実のところを言えば、本格的にDTMを始める切っ掛けになったのはM-IEの正式スタッフに入り、3rdの制作が始まる、というタイミングでして。
ちょうどその時期は諸々の事情でCHiNTOMO先生が制作から離脱しており、スタッフ内にオリジナル曲を作れるメンバーがほとんどいない状況。
そのため、「オリジナル曲を作りたい」という流れで「私が歌詞を書きます」と言ったはいいものの、
結局誰も曲が作れないので自分で歌詞に合わせて曲を作り始め、結果初手から歌ものという暴投で生まれたのがDrive Impulse XX(の原型)でした。
これが「なかったから作る」精神ってやつです。大やけどとも言います。
ほぼ同時期に主催もPsychedelic-Functionを上げてますし、何なら主催のオススメもあってFL使い始めたので、結局2人とも曲作ることになった形になります。
(一応FLはもともとDTMやるならほしいな~~って思ってたので結果オーライです)

で、そんな経緯もありつつ、ここで改めてスタッフ内でオリジナル曲を作ることを決めた時、M-IEとして「やるべきこと」、あるいは「やりたいこと」とはなにか、と考えたわけです。
その結果、浮かんできたのは”あのシリーズのリスペクト楽曲を作る”。これは、私からも主催からも共通の意見として上がりました。
他にも、私の方は2nd時代にexperience mémoireの譜面制作を担当したことで、曲に対して思うところがいくつかあったというのがあります。
その思うところをぶつけた楽曲として、SOUVENIRシリーズ……というより、この時点では”1曲だけ”、あのシリーズへのリスペクト曲を作ろう、と。そういう話がぶち上がりました。

そこからはスピード感に溢れた話の進み方でした。
D.J.Olrunattという名義が生まれ、Imitative Plotを完成させ、いつのまにやら3部作とかいう話をぶち上げ、4部作になった上に勢い余ってNever End Infernoまで生まれ……。
当時はほとんどライブ感で話が進んでいたため非常にめちゃくちゃですが、そういう感じで「模倣の物語」であるSOUVENIRは突き進んでいきました。

Olrunattという名は、"Iris"で真っ先に連想したROのサーバ名から、その統合先サーバである"Olrun"を持ち出し、そこに古ノルド語で「夜」を意味する"nátt"を組み合わせた造語です。
「エルルーンの夜」と言ったところでしょうか。なんとも中二心をくすぐりますが、TRPGの民としてはこれくらい朝飯前です。
名前を含め、”後を追いかける者”としてのイメージを込めた部分が大きいです。……ちなみに、私はROやったことないです。まともにやったMMOはメイプルストーリーくらい?
作るという案が出た当初はD.J.Cielschein名義を再利用するという案もありましたが、私の発案によりコチラの名義に決まりました。

D.J.Olrunattがキャラクター化した経緯ですが、Imitative Plotの曲コメントを提出したあたりで主催が「描きたいなぁ」と発言したのが発端です。
私がApocryphal Romanceを作ってる頃に初期のデザインが生まれ、その後幾度もブラッシュアップを重ねて現在のデザインに至っております。
ちなみにStory-terrorの片割れであるMilleniaのキャラクターデザインはD.J.Olrunattのキャラクターデザインに大いに影響を与えていたりします。
Milleniaは元々私がGMをやる時に立ち絵に置いているアバターでして、それを何度か主催にも見せたことがあるのですが、そのイメージからD.J.Olrunattはあの服装になったそうで。
なんならMilleniaの方も現在は主催デザインの立ち絵を使ってます。本当にありがとうございました。
設定面の方も主催におまかせしているところは大きいですが、私の中にもふわっとしたイメージはあったりします。
憧れと無形の記憶……《オリジン:レジェンド》、だと思います。Inophelia-02の方はどっちかってーと情報生命体みたいなポジションなので《オリジン:サイバー》感。
シンドロームはオルクスは確定で……ピュアだと地獄デバフかけてきそうですからクロスで……サラマンダーとか、良いんじゃないでしょうか。雪の妖精がついてますし。
……何を言ってるんですかね? つまりダブルクロスが好きですということです。

この曲の原型、Imitative Plotの制作経緯は"原典はどう作られているのかを考えようとした"……ただその一点に尽きます。
そのためにまずは、私にとっても縁の深い楽曲をベースに全てを考えてみようと、拙い技術でコードだけでも取り出して鳴らしてみました。
そうしたらどうでしょうか、その時点でもうすでに、あの頃感じた「香り」が漂ってくるのを感じたのです。
そして、それの導くまま勢いでmidiトラックを打ち込んでいき、FLで味付けして作り上げたのが、この曲の元となったImitative Plot (Long)というわけです。
第一回配信に収録されていたImitative Plotは、そのとき作ったものを2分ほどにカットしていただいたものでした。
そして、そのロングの音源を少しだけ調整したものがそのままCALL CODE: SOUVENIR……その予定でした。
しかしそこは長期に渡る制作期間というものの壁もありまして、初期版の制作時期は2019年5月。5年経ってます。
なんだったらImitative PlotはまともにDTM始めてから2番目に作った曲です。流石にこれをそのまま収録するわけにはいきません。
そんなDrive Impulse XXの惨劇を再生産するみたいな真似はしたくないです。あっちは仮歌そのまま入れたやつなんでもっと最悪ですが。ホントなんで入れたのあれ。
そんなわけで、この度1から再構成する形で作り直したものがこちらになります。あの頃の私には手が届かなかったことを色々詰め込みました。
それこそ、「やれることはすべてやろう」がテーマです。そのため、相当ギリギリまで音源をいじる羽目になりました。
「音源これで確定で」と何度言ったかわかりませんし、なんなら譜面着手後に曲の更新が入りました。アホかと。
後述する件含めいくつかの事情が重なった結果、”この物語の締めくくり”はしっかりしておくべきだと感じたのもありますが、この計画自体は更に前……2021年頃から動いています。
まぁ結局2024年に入ってようやく制作を始めたわけですが。私は作り始めるまでの腰が無限に重い人間……。
なお、5年前に作ったプロジェクトファイルが死ぬほど参照しづらく、制作中ずっと過去の自分にキレてました。

詳しい方でしたらわかると思うのですが、本作に収録されているSOUVENIRのメインストーリー楽曲はHurtless Nightを除き、いずれかの原典をモチーフとして作っています。
これは意図的に「模倣」としてモチーフに寄せているというのが正しいです。特に曲作りに慣れてきた頃に作ったForgery Elysiumには、顕著にモチーフの影響が出ています。
正確にはNever End Infernoは全然関係ない曲がモチーフとして選ばれていますが、そちらは……まぁ、上でも少しだけ触れた”唯一私が作った譜面”への後悔とかの回収です。
また、唯一の例外であるHurtless Nightに関しては個として独立する物語として可能な限りどの曲にも依らないように制作しています。
某界隈風に言うのであれば、所謂「4枠」にあたる楽曲になるでしょうか。ある意味総まとめみたいな楽曲です。
そしてそれでも何かに似てしまったとしたら、それは私が無意識のうちに引きずられたのだと思います。だって、模倣するってそういうことですよね?

また、Adventar 2019で発表した”Thus, Fate Goes Around: Ruler's Sight”の原曲である”Thus, Fate Goes Around”は
Imitative Plotの音源をほぼ流用することで音作りの時間を省いた形になっており、ガッツリSOUVENIR楽曲だったりします。
D.J.Olrunattの正体をTRPG仲間が知っている件はこの曲をとあるキャンペーンの最終戦闘で流すために作ったからでして……。
当時のReadMeにくっついていたポエムはそのセッションのお話でしたというわけ。ちなみにDrive Impulse XXは同キャンペーンの別シーンをモチーフにしています。
この原曲の方も相当昔につくったのでそのままお出しするとやけどしそうなので、ひっそり作り直されてます。そのうち日の目を見るんじゃないかな?

原典ではあまり使われないピアノを使う曲が多かったのは、Imitative Plot制作当時の私がいい感じにシンセアルペジオを鳴らせなかったため、ピアノで誤魔化したせいです。
それを流用したり想起したり回収したりと色々やった結果、めちゃくちゃピアノが鳴る曲が多くなったんですね。
もちろん今回も(少し迷いつつも)鳴らしましたが、ちゃんとアルペジオも鳴らせるようになっていて成長を感じます。
その成長を見せようとしたら冒頭8小節がモロになりましたが御愛嬌。ずっとこれで突き進むよりはマシでしょ、多分。

さて、2024年1月。この物語における最初の前提──<終わった物語に先はない>──を根底から覆すような出来事が起きました。
”再会”、そして”帰還”と"新たな物語"の誕生予告。それを聞いた時、この物語の結末をどうするか、悩んだところがないといえば嘘ではありません。
ですが、主催の橋渡しにより、その問題は解決……どころか、偶然にも私の思い描いていた結末と重なる形で、答えが得られました。
「ボクはボクであるということ」の肯定。単なるマガイモノとしての存在だけでなく、D.J.Olrunattであり、Inophelia-02としての確立。それは、認められたのです。
故にこそ、始まりであるこの曲と向き合うのは、避けては通れない……従って、今の私の"全力"を込めてこれを作りました。
……とはいえ、前提が変わってしまった以上、この曲における"語り"は変えることにしましたが。
なおその後何度か天地がひっくり返るような出来事が起きてケツを蹴られるなどしましたが、それはまた別のお話……この件、ロールプレイで返答できなくてごめんなさい。

以上、背後の後語りとなります。いやぁ語った語った。総文字数5000文字オーバーとか、下手なSSよりも文章量多いじゃないですか。
正体を明かした以上もはや隠し立てすることもありませんので公言しますが、"真似事から始まった物語"の続きはまたやらかすかもしれません。
なんだったらD.J.Olrunatt名義自体もなくすわけではないので、また出会う時があればぜひぜひ聴いてやってください。
Webアルバムとか、新しいFunctionの構想とか、そういうのもあるので。

そういえば体験版公開直後にスペルミスに気づいたせいで一瞬配信されたImitative Protですが、あれは本当の本当に私のミスです。
なんでずっと気づかなかったんでしょうか、おかげで「画像修正お願いします……」と泣きつくハメになりました。ドジっ子は私の方でした(ブーメランが刺さる音)。

[Player: メーゼ]

彼女と彼の忘れ物。
結局mProtectって誰だったんでしょうね。個人的にはこのシリーズでしょっちゅう出てきた、
「雪」の妖精的なイメージです。まぁこの「雪」はあくまで隠喩表現なんですが…。
うんうん、これもまたInopheliaだね。(?)

ところで二人の関係ってNLなんですかね?(カプ厨)
これからはグラ子とエル子さんの何かが始まるんでしょう。知りませんけど。


ここでちょっと裏話を。
このSOUVENIRシリーズ、3rd以降はシリーズとして計画したうえで生まれたんですが、
発端は私の「[某パッケージのジャンル]っぽい曲作りませんか」という妙な発言でした。
結局お願いする形になってしまい、あらゆる点で迷惑を更にかけていることになって、
本当に申し訳ございませんでした。
そして、企画全ての点において、私の無茶な希望に応えて頂き、ありがとうございました。
この場をお借りして、感謝を申し上げます。

そして、これからも(無理のない程度で構いませんので)、よろしくお願いいたします。

…ところで今作でやりたいこと全部やってしまったんですけど、4thどうしましょう…。


最後に、彼女の新しい名前「Inophelia-02」は、
作品「ハムレット」にて、傷心の末狂気に陥り自害した悲劇の女性「オフィーリア」の名前に
否定を表現する「in」を付けて"運命から逃れて"転生し、二度目の人生(=02)が始まった事を暗示する
明るい活路とかを感じさせる意味の名前になりました。
読みは多分「イノフェリア=ツヴァイ」です。

これからよろしく、エル子さん。


…ここまでのコメントは2022年あたりで完成自体はしていました。ええ。
まさか2024年に…ねぇ…。

本当の最後に「あの人」に、
SOUVENIRという存在を認めてくださって、本当にありがとうございます。
エル子さんも、グラ子も、この企画も、そして私自身も、
「あの企画」があったから生まれたといっても過言ではないのです…。

そして、プレイヤーの皆様には私のよく分からないポエムに付き合わせてしまって、
本当に申し訳ございませんでした。

多分今作限りなのでご安心ください…。



…ところで、エル子さんWEBアルバムとかどう?(反省の色なし)

[水無月ぱんだ]


弾は十分にあるので、後は私が腰を上げられるか次第です。
ですが、いつの日か、ぜひ。

[メーゼ]